表彰式・作品レポート

※過去の入賞作品はコンクールメモリーのページからご覧になれます。

2016年11月20日に東京(日比谷図書文化会館)、2017年1月28日に大阪(大阪国際交流センター)にてそれぞれ表彰式を開催しました。
東京会場のオープニングでは、東京大志学園とクラーク記念国際高等学校の生徒による「祈り」という合唱曲を披露しました。
作詞・佐々木香、谷川賢作、作曲・谷川賢作です。
谷川賢作さんは、詩人・谷川俊太郎さんのご子息であり、現在は作曲活動をしながら、ピアニストとしてご活躍されていらっしゃいます。今回の「祈り」という合唱曲は、東日本大震災の復興プロジェクトとして作られた曲であり、すべての命に対する想いが込められた曲です。

式では受賞者一人ずつ登壇し、受賞作品がスクリーンに映し出され、プレゼンターの審査委員から賞状と副賞を受け取る際に、受賞作品の講評をいただきながら、改めて作品を鑑賞しました。また、受賞者を代表してのスピーチでは、どの子どもたちも緊張しながら堂々と作品に込めた想いを話してくださいました。


式典終了後は、受賞者のご家族や学校の先生も一緒に記念撮影を行いました。

第8回環境教育ポスターコンクール:審査員講評と講評

■文部科学大臣賞

  • 小学生の部
    台東区立台東育英小学校
    6年
    久保淳之介
  • 中学生の部
    岡山市立京山中学校
    3年
    野村しらべ
  • 高校生の部
    宮崎県立佐土原高等学校
    2年
    長友日向子

【審査委員講評】


・久保さんの作品:力強い標語が心に響きます。こちらを向いて涙を流すウミガメの顔や体の立体感がうまく描かれていて、ウミガメの悲しい気持ちがよく伝わってきます。やさしく美しい色使いで全体がまとまっていますが、背景と文字を囲う円の色、そして文字の色の対比がよく考えられていて、標語とかめの姿がしっかりと目に飛び込んできます。

・野村さんの作品:日本人であれば誰でも知っている浦島太郎のストーリを使って、シンプルでありながら、ペーソス溢れる印象的な標語となっています。上を向く浦島太郎とかめの姿がしっかりと描かれていて、絶望感がよく表現されています。また周りに散らばるゴミや後ろで汚染水を垂れ流す工場の風景が状況をよく表しています。余白をうまく使った文字のレイアウトによって、標語が目に飛び込んできます。

・長友さんの作品:サングラスとマスクをつけた犬の顔の意外性によって、オゾン層破壊と大気汚染の問題の深刻さが強く訴えかけられています。シンプルに表現されたビーグルの姿に対してサングラスとマスクが、しっかりと描かれていてメッセージ性のある絵となっています。標語はあえて小さく書かれていますが、犬の気持ちが素直に伝わるよい言葉だと思います。画面のバランスがよく、伝えたい気持ちが十分に表現されています。


■環境大臣賞

  • 小学生の部
    神戸市立舞多聞小学校
    3年
    梶本有紗
  • 中学生の部
    上郡町立上郡中学校
    2年
    深澤一弘
  • 高校生の部
    京都市立銅駝美術工芸高等学校 2年
    野々村達彦

【審査委員講評】


・梶本さんの作品:「自然を大切に」というストレートな標語を象徴するような作品です。満開の花畑に蝶が舞う様子をダイナミックに描いており、生命の躍動感、力強さを感じます。

・深澤さんの作品:干上がった水底に何か丸いものが置かれています。近づいてよく見ると、一匹のフグらしい魚が涙を流しているのがわかります。ショッキングではありますが、どこかユーモラスな雰囲気を漂わせた地球環境保護を訴える作品です。思わず立ち止まって、近づき擬視したくなるような、不思議な魅力を醸し出しています。

・野々村さんの作品:じっくりと眺めれば眺めるほど、かけがえのない自然を大切にしなければ…という思いに包まれる作品です。遠近法を巧みに使って自然の雄大さ、清々しさを描きつつ、草原か畑の中央を走る小道に立って遠方を眺める少年の足元で道が二股に分かれているところなどは何かを暗示しているようにも思えます。また標語を中抜きにして透明感を出すなどの細かな工夫に作品全体に漂う爽やかな空気の流れを感じさせ、本当に自然の香りが漂ってくるようです。

■金賞

  • 小学生の部
    橿原市立畝傍北小学校
    5年
    今井匠
  • 中学生の部
    神戸市立桜の宮中学校
    3年
    冨田竜佑丸
  • 高校生の部
    大阪市立工芸高等学校
    1年
    三上希実

【審査委員講評】


・今井さんの作品:自分の身の回りの日常生活の中から、環境問題について考えたポスターです。車から出たタバコを持つ手が、とても印象的で見る人の目を惹きつけます。地面に落ちたタバコの灰がまるでお化けのように見えて「道路を灰皿がわりにしていると環境お化けが出てくるぞ」という作者の環境への思いが見る人に伝わってきます。

・冨田さんの作品:描かれているのは阿修羅像でしょうか。阿修羅像には様々なものがありますが、このポスターに描かれている阿修羅像のように、多くは「三面六臂」と言って三つの顔に六つの腕のものが多いそうです。作者は、その姿をうまく使ってごみ問題やリサイクルなどのテーマに迫っています。汗をかいて一生懸命にゴミを集めている阿修羅像がとてもユーモラスで、ポスターの世界に見る人を飛び込ませます。

・三上さんの作品:「木がないねん!」という標語が、いつまでも心に残る作品です。大量の木の伐採などの環境問題を、蝉たちで大混雑をしている風景を描くことで、見る人に環境について考えさせています。一つひとつの蝉やその脱殻が丁寧に描かれていて、見る人をその場にいるような気持ちにさせてくれます。じっと描かれた蝉たちを見ていると、それぞれの蝉が「木がないねん!」とつぶやく声が聞こえてきそうです。

■銀賞

  • 小学生の部
    つくば市立豊里学園今鹿島小学校
    2年
    黒木歌乃葉
  • 中学生の部
    上尾市立西中学校
    3年
    大畑璃子
  • 高校生の部
    埼玉県立松伏高等学校
    1年
    大塚千愛
  • 小学生の部
    神戸市立高丸小学校
    3年
    上原和花
  • 中学生の部
    大阪市立文の里中学校
    3年
    木村珠稚
  • 高校生の部
    兵庫県立北須磨高等学校
    1年
    井上由佳

【審査委員講評】


・黒木さんの作品:標語と画面いっぱいに散りばめられた生き物たちの観察力と色彩感覚がとても素晴らしいです。愛に溢れた未来への希望を感じさせ心温まります。

・大畑さんの作品:全体の構図や標語の配置がとてもバランスが取れています。確かな観察力と描写力で、すみずみまで表現され完成度が高いです。

・大塚さんの作品:標語の視点の発想力がとても面白いです。伝えたいことがシンプルで分かりやすく、ポスターとしてのデザイン力に優れています。

・上原さんの作品:作者自身が住むところでしょうか。豊かな自然の風景から発想して、自然エネルギーの風力発電をテーマとして描いています。遠近感がでるように工夫して近景の森、中景に広がる水田や畑、そして遠景の街へとつながる空間に風力発電の柱と風車をバランスよく陰影にも気をつけながら立体的に配置できています。茜色に染まる空が印象的で暖かな優しさが画面いっぱいに表現できています。

・木村さんの作品:身近な素材のペットボトルの口から、人間が限りある地球資源を消費し、結果として廃材やゴミがこぼれ出ている様子が描かれています。中学生らしくペットボトルの透明な質感や自然の資源、消費した廃材の無機質な感じも、よくとらえられて描写力も確かです。作者のテーマである資源について考えた「自然がこぼれていませんか?」の標語も観る人の心をとらえた記憶に残るメッセージです。

・井上さんの作品:温暖化を氷の崩壊として象徴的に描いています。溶けた氷の形がペンギンの苦しみあえぐ姿になってきています。我々に緊急性を帯びたメッセージを訴えています。そびえる氷塊、海面に浮かんだ欠片の氷、追いやられるペンギンの居場所等、色彩も絞り込み、微妙に違うそれぞれの質感を描き分けられる確かな描写力に支えられた表現になりました。標語の文字も大きさや位置にも気持ちを込めた工夫がみられます。

■銅賞

  • 小学生の部
    川越市立大東東小学校
    2年
    森うらら
  • 中学生の部
    杉並区立西宮中学校
    1年
    小坂田真愛
  • 高校生の部
    静岡県立清水南高等学校
    1年
    長澤有純
  • 小学生の部
    神戸市立稗田小学校
    6年
    奥村万次郎
  • 中学生の部
    岡山市立京山中学校
    3年
    西原なずな
  • 高校生の部
    京都市立銅駝美術工芸高等学校 3年
    南埜晃輝

【審査委員講評】


・森さんの作品:自然保護を呼びかけた作品です。海辺で遊ぶ笑顔の女の子を正面から画面いっぱいに描いており、迫力満点です。その一方で、女の子の両サイドに小さく描かれたヤドカリと貝殻がアクセントになっており、愛らしさを感じます。色使いも明確でポスターとして分かりやすく、優れています。

・小坂田さんの作品:ゴミの分別、再利用の大切さをアピールした作品です。ボウリングのストライクとゴミの分別を引っかけたアイデアが素晴らしく、一度見た人は、自分のゴミ出しできちんと分別出来たとき、ついこのポスターを思い出し、思わず「ストライク!」と言ってしまいそうなほど、インパクトがあります。

・長澤さんの作品:地球温暖化防止を訴えた作品です。小さくなった氷の上でペンギンが折り重なって助けを求めている様子が描かれています。左上に描かれた指先と団扇、上部の赤みがかかった配色が絶妙なコントラストとなってポスターとしての効果を高めています。

・奥村さんの作品:「外来種」は、今、日本の環境問題の大きなテーマです。連れて来られた外来種に罪はありません。連れてくる意識を変えなければ、やがて在来種は駆逐されるでしょう。大きなサメの口の迫力、逃げまどう小さな魚たちが、その危機感をよく表しています。外来種の駆逐ではなく、「放さない」とした標語もよい作品です。

・西原さんの作品:コラージュ的な手法で幻想的な美しい画面を構成し、環境問題の複雑さ、奥深さを伝えています。標語にも絵にも、あまり他に見られない作者ならではの独創性が感じられます。

・南埜さんの作品:非常に洗練されたデザインでキリと垢抜けています。活字のメッセージも知的で説得力があります。応募作品の中で唯一のパソコン制作による印刷作品です。これからの時代の流れの中で、こうした作品も評価されるべきだと思います。

三浦雄一郎賞
神戸市立本山第二小学校
1年
山垣那由他
安藤忠雄賞
神戸市立竜が台小学校
1年
福田虎太郎
学研賞
台東区立
台東育英小学校
岡山市立
京山中学校

【審査委員講評】


・山垣さんの作品:海に棲むウミガメとラッコが「大好き!」という気持ちが画用紙いっぱいに伝わってきます。「まもろうぼくらのなかま」一生懸命なタッチで命の大切さを届けてくれ心温まります。

・福田さんの作品:子どもらしい素朴な絵の中から、生きとし生けるものすべてが地球の上で仲良く過ごせるような美しい環境をつくろうというストレートなメッセージが伝わってきます。

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