第11回環境教育ポスターコンクール

【受賞一覧】※受賞名をクリックするとそのポスターに移動します。

※過去の入賞作品はコンクールメモリーのページからご覧になれます。

■第11回環境教育ポスターコンクール応募校数・応募点数
ブロック 東日本 西日本 合計
小学校 校数 118 121 239
点数 1006 1074 2080
中学校 校数 156 97 253
点数 1636 2270 3906
高等学校 校数 29 30 59
点数 219 371 590
合計 校数 303 248 551
点数 2861 3715 6576

2019年11月17日に聖心女子大学聖心グローバルプラザ(4号館)ブリット記念ホール(渋谷区)にて表彰式を開催しました。第1回子ども作文コンクール表彰式との同時開催です。

第1部の子ども作文コンクール表彰式の後、環境教育ポスターコンクールの受賞者に表彰状と副賞が授与されました。受賞作品がスクリーンに映し出され、審査委員の先生方から賞状と副賞を受け取る際に、受賞作品の講評をいただきながら、改めて作品を鑑賞しました。

また、文部科学大臣賞の受賞者3人から、受賞者を代表してスピーチをいただきました。3人とも、緊張しながらも、堂々と作品に込めた想いを話してくださいました。今回は、海外18の国と地域から222点の応募があり、海外部門の金賞・銀賞・銅賞・特別賞が贈られています。

横山勝樹審査委員長の総評では、「受賞された皆さん、おめでとうございます。毎回、審査にはとても苦労しています。力作ぞろいです。作品を見るたびに、「ああ、こんな表現の仕方があったんだ」と逆に学ばされることが多いです。テレビやインターネット、あるいは授業で知ったことを、ただ知るだけではなく、自分で感じ、考え、そして人に伝えていきたいという強い気持ちが、作品に現れてきていると思います。
今回は、海洋投棄されたプラスチックごみの問題を扱った作品がとても多くありました。【ライオンキング】の映画では、ライオンやキリンが仲良く同じ池の水を飲んでいる場面があります。実際には、時間は一緒ではないけれど、同じ池にライオンも来るし、キリンも来るのだそうです。サバンナの生き物たちは、皆で同じ池を分け合っています。同じことが海にも言えると思います。私たち人間だけの海ではなく、動植物みんながその中で生かされている。そのことに思いを寄せて、そこから環境問題を考えていく。そういうことをこれからも皆さんには考えてほしいし、実践してほしいと思っています。」というお話をいただきました。
作文もポスターも、自分の心の内面を深く観察し、個性あふれる手法で表現された素晴らしい作品でした。
式典終了後、両コンクール受賞者、審査委員の先生方、ご家族や学校の先生方、来賓の方々も一緒になって、記念撮影を行いました。

横山先生集合写真

第11回環境教育ポスターコンクール:受賞作品と審査員講評

◆作品全体に対する審査委員の講評

・色を塗るだけでなく、ハンコを自作する、ラメ入りの塗りをする、紐などを使って立体的に仕上げる、などの工夫した作品が多く見られた。無理やり使おうとしているのではなく「こういう表現をしたい」という思いがまずあって、それを実現するためにそれらの方法を自然に使っていると感じられ、好感がもてた。

・「自分たちはこういう行動をしよう」という思いのある作品が目立っていたように思う。

・このコンクールは、環境に対する勉強とセットで取り組むべきであり、ただ「環境について絵を描いてみよう」というだけの指導では十分でない。学校の先生方にはその点を配慮していただけるとありがたい。受賞した作品の多くは、その子の学年なりに環境問題を「自分事」としてしっかり捉えていた。

・地球環境の危機感が子ども達にも認識されていて、現在の厳しい状況を捉えた絵が多かった。一方で、世代を超えて環境を暖かい目で見つめるような作品が増えてくるとよいと感じた。

・高校生には、絵の技術だけでなく、高校生だからこそ考えられる切り口で環境のテーマを捉えて作品を仕上げてほしい。

■文部科学大臣賞

  • 小学生の部
    神戸市立渦が森小学校
    6年
    加藤 さくらこ
  • 中学生の部
    淳心学院中学校
    2年
    起塚 龍玄
  • 高校生の部
    香川県立高松工芸高等学校
    3年
    宮本 桃花

【審査委員講評】


・加藤さんの作品:森の木々が切り倒されて、切り株だけが残っています。残った最後の一本も切り込みが入り、葉っぱも落ちかかっていて残りわずかな命です。背景の紫色の空は、ただならぬ危機感を表現しています。そして葉っぱは近寄ってよく見ると、ゾウやキリン、ペンギンなどの地球上にすむさまざまな動物たちの姿をしています。葉っぱの動物たちを、自作のスタンプで表現するという独創的なアイデアが、「守りたい」という力強いメッセージを引き立たせています。

・起塚さんの作品:現在世界的に注目されている海洋プラスチックごみの問題ですが、クジラやカメなどの捕食者ではなく被食者のクラゲの視点でとらえたユニークな作品です。このような視点の転換は、ユーモアたっぷりの標語のアイデアから生まれていて、まさに言葉と絵が一体となった秀逸な作品と言えます。美しさと分かりやすさを備える画面構成も申し分なく、デザイン力が際立つ秀作です。

・宮本さんの作品:眼前のゴミの山と工場の煤煙や汚染水で汚れた空と海に向かって呆然と立ち尽くす人影が印象的に描かれています。そして脳裏に浮かぶ美しかった頃の自然の風景をフィルムに写った映像に置き換えて対比的に表現しています。幼いころにフィルムカメラにも触れた最後の世代かと思いますが、ノスタルジーではなく未来を担う青年としての力強いメッセージの標語が印象的な力作です。

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■環境大臣賞

  • 小学生の部
    台東区立根岸小学校
    1年
    宮島 莉伽
  • 中学生の部
    三木市立三木中学校
    1年
    柴田 凱斗
  • 高校生の部
    兵庫県立明石高等学校
    2年
    北島 瑞穂

【審査委員講評】


・宮島さんの作品:このポスターの作者は本当に「かめさん」が好きなのでしょう。愛情溢れたポスターに仕上がっています。陸側を緑で描き、海を青で描く。海には少しゴミが浮いているけれども、まだまだ地球は大丈夫だ、まだ間に合う、だから「たすけにいくよ」と、明るい未来の実現を強く志向したメッセージを感じます。また、小学校1年生とは思えない描写力も印象的でした。素朴な感性を大切にした作品でした。

・柴田さんの作品:描かれたポスターを目の前にして眺めると、本当にポスターから水がこぼれ落ちてきそうに感じるほど、その描写力の高さに圧倒されました。特に水の透明感の描写はすばらしく、色のないものを存在感高く描く技術は高く評価できます。また、背後の色の配置は、ちょっと見ると不思議な感じがするのですが、これも水の存在感を高めています。手から下に徐々に青を増していく様は水の深さを彷彿とさせますし、手から上にも青を増すのは空を想起させます。いずれにしても、未来の美しい環境の創造を、水によって象徴的に描いた秀作です。

・北島さんの作品:シロクマ親子が氷を探して冷蔵庫の製氷室を探っているという、ちょっとコミカルな、笑いを誘うかもしれない図柄となっています。しかしながら、「なぜ彼らが氷を探す事態に至ったのか」を真剣に考えるとき、事態は笑って済ますことができなくなります。言うまでもなく地球温暖化の問題です。シロクマ親子の表情が、無邪気に笑っているようにも見え、だからこそなおさら、彼らへの申し訳ない気持ちが私たちの心に強く突き刺さってきます。シロクマ親子は地球温暖化などまったく知らないのですから。地球環境の置かれた環境の厳しさをネガティブに表現せず、裏返して表現する発想は、さすが高校生の作品だと高く評価します。

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■金賞

  • 小学生の部
    多摩市立愛和小学校
    6年
    牧田 主水

【審査委員講評】


・牧田さんの作品:海で捨てられたプラスチックゴミを食べた魚を、私たちが知らず知らずに食べる食物連鎖を上手に表現しています。背景を人に近づくほど明るくしていったり、実際のプラスチック素材を貼り付けたりした工夫がより人に伝わる表現につながっています。

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■銀賞

  • 小学生の部
    上尾市立大石南小学校
    6年
    池田 和香
  • 中学生の部
    千葉市立山王中学校
    3年
    冬木 りりえ
  • 小学生の部
    堺市立三宝小学校
    3年
    日下 夕夏
  • 中学生の部
    福井県立高志中学校
    3年
    細野 あまね

【審査委員講評】


・池田さんの作品:ひび割れ、荒れ果てた地面の上に空き缶やペットボトルなどの生活ゴミが雑然と描かれ、見るものを悲しくさせる場面です。しかし一輪だけ青い花が片隅に咲いていることでまだ希望があることがわかります。「止めるためには今しかない!」とメッセージが強く伝わってきます。

・冬木さんの作品:マンガの手法を使って、ストーリーを組み立てていった発想がすばらしいです。絵のコマ割りや文字の入れ方にも工夫が見られ、登場するキャラクターのセリフ展開も自然で共感できます。発熱してベッドで寝込んでいる様子をユーモラスに表現した最後の場面が圧巻です。

・日下さんの作品:海の快適な環境の中で、さまざまな魚や海の底の生き物たちが、ゆったりとくらしている様子がほほえましく描かれています。水色で表した海水の背景と酸素の大きな泡の中に標語を入れるなどアイデアが光ります。水と生きものと私たちのしあわせな関係を考えさせられます。

・細野さんの作品:木の切り株だけが手前から奥の方まで続いています。そこはかつて森林であったことが想像させられます。確かな構成力に基づく簡潔で素直な表現が共感をよぶ作品になりました。画面から私たちに近い未来への警鐘として強く伝わってきます。

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■銅賞

  • 小学生の部
    川越市立大東東小学校
    4年
    青木 浩武
  • 中学生の部
    広尾学園中学校
    3年
    山脇 千史
  • 小学生の部
    加西市立九会小学校
    6年
    高瀬 悠生
  • 中学生の部
    大阪市立文の里中学校
    2年
    木村 胡蒔

【審査委員講評】


・青木さんの作品:「フードロス」というテーマをシンプルにそして奥行のある表現をして伝えてくれる。切り絵と質感のある張り紙で立体感を出して、また色使いもとてもいい。赤い果物の表情が寂しげなところも食べ物を大切にしなくてはならない気持ちが表れています。

・山脇さんの作品:標語と構図、まさに流行の先端を捉えて、環境問題を表している。タピオカの代わりに様々なごみ、ステッカーにはオーダーの内容が、そして溶けかけた氷の上に浮かぶ白熊。ひとつひとつの表現がとても説得力のある「今」と環境問題を繋げた説得力ある作品です。

・高瀬さんの作品:海岸で色々なゴミを家の代わりにしてしまったヤドカリ。私たちの社会で問題になっている人間のごみ屋敷が、さらに自然の生き物たちの間でも広がっているということに気づかせてくれる作品です。

・木村さんの作品:氷の突端に乗っているペンギンがパタパタ、ぶるぶると一生けん命に落ちまいと頑張っている動きが手に取るように描かれてます。ペンギンの「もう限界!」という思いが伝わり、強烈な太陽の光が温暖化の緊急性を訴える、インパクトある作品です。また海面に映るペンギンも細かいところまで描かれています。

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三浦雄一郎賞
加西市立九会小学校
3年
三好 佑汰
安藤忠雄賞
横浜市立荏田西小学校
1年
表寺 心聖
学研賞
神奈川県
川崎市立渡田小学校
京都府
与謝野町宮津市中学校組合立橋立中学校

【審査委員講評】


・三好さんの作品:山、川、森 大自然の中で時間を忘れて遊ぶ。自然が与えてくれる楽しさ、冒険、学びが活き活きと表現されていて、見ている私たちもワクワクしてくる。心の底から自然が大好きだ!と大きな声で伝えてくれる。その自然を大切にしたいという思いが元気いっぱいに描かれている作品です。

・表寺さんの作品:海洋ゴミが全世界的に深刻な問題として取り上げられています。それをテーマに掲げた作品が多く見られましたが、中でもこの作品は子供らしい簡明でストレートな表現がかえって印象に残りました。無邪気に喜ぶくじらの表情と、配膳されたごみ混じりの食事のギャップに、問題の底深さが表れているように思います。まず被害者となるのは何も知らない海の動物たち。私達人間の責任の重さを感じずにはいられません。

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■入賞:小学生の部

  • 千葉市立生浜西小学校
    5年
    藤田 仁美
  • 神戸市立桜が丘小学校
    6年
    西山 嘉哉
  • 赤磐市立山陽小学校
    5年
    坂本 茉洸
  • 松山市立石井北小学校
    6年
    田頭 花唯

【審査委員講評】


・藤田さんの作品:子どもに対する母親の愛情の深さを、「ほんわりとした」雰囲気で描き出した作品で、見ていて心が癒やされました。子猫は母親の乳を探っているのでしょうか。小学生らしい作品だと思います。この作品を見て、当初何が環境ポスターなのだろうと考えさせられました。しかしながら、環境保全の問題は、世代を超えた問題であり、今の私たちが作り出す世界の影響は、むしろ次の、そのまた次の世代に強く表れてきます。本作品は、この点を、「環境を守らないと次の世代は大変なことになるよ」といった方向で訴えるのでなく、「皆、自分の子どもたちは大切だから、そのために何をしたらいいか考えようね」といった形で訴えており、そこに発想力の豊かさを感じました。

・西山さんの作品:化石ができるまでには、少なくとも何千万年とかの時間がかかります。この長大な時間の流れにつながるものとして今を位置づけ、私たちの行動の影響を考えた作品であり、その発想力・想像力の豊かさには感心させられました。環境問題は、実は今を生きる私たちだけの問題ではありません。これからずっとつながっていく後の世代に対する責任の問題であるのです。この点を的確に捉えてポスター化した点を高く評価します。タイトルも、環境保全を訴えるものとしては異色、かつ独創的で、目を引くものでした。

・坂本さんの作品:海中ゴミの問題は、今や世界的に解決すべき課題であり、自然環境中で分解されないゴミの放出をいかに止めるか、皆で考えなければなりません。本作品は、その影響を悲惨なタッチで描くのではなく、どこかコミカルに表現しています。魚の周りの海の描写は全体的に暗い色調で描かれているのに対して、魚と胃の中にあるゴミは鮮やかな色合いで表現し、その対比が環境悪化の現実とそれを十分に認識していない状況のズレを指摘しているように感じさせます。しかも魚の目を見ると、胃の中にゴミがたまっていることに気づいていない様子です。このギャップも深く私たちを考えさせるものでした。

・田頭さんの作品:政治や経済のあり方が、地球の未来の環境を決めるのに重要であることは間違いありません。しかし忘れがちなのは、私たちのちょっとした行動の積み重ねが環境に対して大きな影響を与えることです。ゴミの分別やリサイクルといった行動を象徴的に示すことによって、この点を訴えたのが本作品です。「まあ、1回だけならいいや」といった安易な行動を強く戒めている本作品は、小学生としての描写技法の高さとも相まって、高いレベルに仕上がっていると言えます。

■入賞:中学生の部

  • 松戸市立第六中学校
    2年
    松本 桃佳
  • 八千代市立村上東中学校
    3年
    真鍋 佳子
  • 常総市立水海道中学校
    2年
    倉持 莉胡
  • 平戸市立野子中学校
    3年
    北吉 綾乃

【審査委員講評】


・松本さんの作品:ポイ捨てのペットボトルが、ゴミ箱に入らずに転がっている瞬間を絵にしています。それに背を向けて立ち去る人の姿に、今日の環境問題に背を向ける社会を連想するメッセージが強く伝わります。

・真鍋さんの作品:自然界で発光する生物や夜空に横たわる銀河など、自然の灯りをテーマとして効果的に配置された画面構成になっています。過去から現在そして、未来につなげていかなければならない豊かで瑞々しい環境の大切さを伝えるあたたかなメッセージになりました。

・倉持さんの作品:煙突の煙と降りそそぐ酸性雨。白灰色の枯木。そして空を見上げるうさぎの涙と錆びたブロンズ像の涙。水たまりには、かつての美しい緑の樹木が映っています。メッセージからは私たちがとるべき行動を暗示しています。

・北吉さんの作品:活気あふれる大都会の街角の夜景が、高い筆力で描かれています。よく見ると横断歩道の上に、周りの風景に溶け込んだ動物がこちらを向いてポツンと立っています。人間と動物の共生について考えさせるメッセージ性の高い作品です。

■入賞:高等学校の部

  • 東京都立つばさ総合高等学校
    2年
    紺野 安純
  • 神奈川県立弥栄高等学校
    1年
    古田 和海音
  • 神奈川県立弥栄高等学校
    1年
    松浦 梨乃
  • 埼玉県立大宮光陵高等学校
    1年
    石川 莉里依
  • 埼玉県立越谷西高等学校
    3年
    永井 春風
  • 兵庫県立明石高等学校
    1年
    落合 志保
  • 香川県立高松工芸高等学校
    2年
    藤田 洋海

【審査委員講評】


・紺野さんの作品:江戸時代の浮世絵を使って現代の問題に切り込んだアイデアが独創的です。私たちの先人が自然と共存し、生きてきたことを文化の視点から表しています。今、個人が日々の快適な生活を追い求めるがあまり、自然や環境に対する意識が薄くなっていることを考えさせてくれます。

・古田さんの作品:実際にヤドカリが貝殻の代わりにペットボトルのキャップなどのゴミを使っていることを、皮肉たっぷりに「ファッションショー」に見立てた表現が秀逸です。ファッションショーを見ている観客も困った顔をしていて、海にゴミを捨てて、貝殻を拾って帰って行く人間のエゴを見る人一人一人に考えさせてくれます。

・松浦さんの作品:海は私たちのふるさとでもあり、全ての生き物にとって大切な場所です。そんな、日々忘れてしまいがちな当たり前のことを、サーフィンという身近な事で思い出させてくれる作品です。上からゴミが覆い被さってくるような構図が作品の奥行きを生み出し、動きの感じられる表現に仕上がっています。

・石川さんの作品:私たちが日頃求めることを当たり前と思っている快適な生活が、知らない中で自然に大きな影響を与えていることをユーモラスに描いています。人と動物たちを画面中で二分して対比させている構成が、とてもわかりやすく見る人の心に訴えかけます。

・永井さんの作品:酸性雨は、河川や湖沼、土壌を酸性化して生態系に悪影響を与える深刻な問題です。「賛成」を「酸性」に置き換える標語とともに,木々たちを擬人化したアイデアが見る人に強いインパクトを与えています。私たちも自分のこととして自然の苦しみを感じなければいけないことを伝えています。

・落合さんの作品:ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などによく使われている「いいね!」を上手く表現の中に取り入れ、見る人に環境の問題を身近な問題として意識させています。緑豊かな木や一つ一つのハートの形を丁寧に描くことで環境に対する一人一人の行動が大切であることが伝わってきます。

・藤田さんの作品:下から見上げたような構図が、このポスターを見る人が、人からの目線ではなく、海の生き物からの目線で環境問題を考えることにつながっています。「まだ海は生きているよ」の標語が、丁寧に描かれた絵柄とともに、見る人の心にずっと残るような作品です。

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■海外賞

  • 【金賞】
    グアム日本人学校
    (アメリカ)
    小学2年
    メンディオラ 優馬
  • 【銀賞】
    キト補習授業校
    (エクアドル)
    中学1年
    アンドラデ ナリアティ
  • 【銅賞】
    クアラルンプール日本人学校
    (マレーシア)
    小学6年
    中村 優心
  • 【特別賞】
    Hokowhitu School
    (ニュージーランド)
    小学6年
    和田 夏芽

【審査委員講評】


・メンディオラさんの作品:グアムでは、ココナッツの木は、昔から人と自然が一緒に生きていくために重要な植物だったと思います。そのような太平洋の美しい島々も地球温暖化による海面上昇で危機に瀕しています。この作品は、その危機から島を守ろうという力強い気持ちが伝わります。真っ赤な大きな太陽、青い空、そして黄色で描かれた暖められた海や大地が、美しい色で上手に描き分けられて印象的です。

・アンドラデさんの作品:アマゾンの森林火災は世界中の人々が心配をしていることです。そしてその原因の多くが、自然災害ではなく農地を拡大しようとする人間の野焼きから起きていることが多くの人々から指摘されています。画面中央に神々に祈りをささげる人が涙しています。この作品からは古来より自然と上手に共生していた人間の知恵を今こそ思い起こすべきことが強く伝わってきます。

・中村さんの作品:中心に地球が描かれて、その周りに六つの画面が描き分けられています。一つ一つの画面には、工場による環境汚染、ごみの不法投棄、伐採による森林破壊、気候変動による氷河融解や森林火災などの問題が丁寧に描かれていて好感がもてます。標語の文字の配置が効果的で、自然破壊を止めたいという気持ちが画面から良く伝わっています。

・和田さんの作品:地球環境の問題に取り組むために、私たちが日常生活の中でできる小さな心がけは沢山あります。しかし、つい便利さの方に気をとられて忘れてしまいがちです。このポスターには、そのような小さな心がけがたくさん描かれています。文字と絵のバランスも良く、カラフルな画面は、生活を楽しみながらもエコロジーに心がける気持ちにさせてくれます。中央に書かれた標語と「いいね」のマークが作者の強い気持ちを良く表現しています。

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