表彰式・作品レポート
2024年度の受賞作品をこのページでご紹介します。作者のコメント・審査委員の講評も併せて掲載しています。
【作品一覧】※受賞名をクリックするとそのポスターに移動します。
※過去の入賞作品はコンクールメモリーのページからご覧になれます。
ブロック | 東日本 | 西日本 | 海外 | 合計 |
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小学校 | 357点 | 722点 | 43点 | 1122点 |
中学校 | 867点 | 500点 | 3点 | 1370点 |
高校 | 155点 | 343点 | 4点 | 502点 |
合計 | 1379点 | 1565点 | 50点 | 2994点 |
2024年度の第16回環境教育ポスターコンクールでは、国内からは2994 点、海外は11か国から50点の作品が集まりました。
2024年11月10日に明治記念館 富士1にて、多くの参列者のもと、表彰式を開催しました。第6回子ども作文コンクール表彰式との同時開催です。会場には受賞作品が展示されました。
ポスターコンクール表彰式では、環境省大臣官房環境教育推進室 黒部一隆室長より、ご挨拶と環境大臣賞の表彰状を授与していただきました。
表彰状・副賞の授与のあと、大臣賞受賞者からは、受賞者を代表してスピーチをいただきました。作品に込められた想いを話してくださいました。
式の最後には、清水泰博審査委員長より作品全体に対する講評がありました。
受賞者の皆さん、ご家族の皆様、ご指導頂いた先生方、おめでとうございます。
今年は作品数は減ったのですが、例年以上にレベルの高い作品が多く、バラエティに富んでいるように思いました。似た作品があまりなく、それぞれ独自の視点で描かれていると思いました。その中で受賞作品を見て、幾つか思ったことをお話ししたいと思います。
今回は作品の訴えの中に二重の訴えが描かれているものが多いように感じました。
例えば、文部科学大臣賞の原田さん「ここにあったんだ 秋の森」という作品についてですが、絵の中に食べ物を探して人里に出てきた熊が描かれている。それは人間の活動が原因です。そこで見つけた食べ物は人間が捨てたものであったという状況です。ここには熊が人里に出てくる問題と食品ロスの問題を二重に訴えかけていると感じました。
環境大臣賞の梅川さんの「焼かないで消さないで 僕たちの世界を」という作品についても、山火事という環境破壊が起きている。それと同時に、ここに表現されている炎は人間なのではないかと感じました。人間の行っている事が自然界の中では全て火なのではないか。ここにもその二つの意味合いを感じました。人(炎)が生きている自然の世界を死んだ世界に変えていく、死んだ世界と生きている世界の絵を、火を真ん中に対比的に描いていて印象的です。
二重という意味では今の時代、どうしても戦争と事象が頭をよぎってしまうのですが、内閣総理大臣賞の木虎さんの「共存てのはどうでしょう?」という作品では、描かれている動物たちと人間が共存していくというのがテーマではあるけれども、裏テーマとして世界の人々による「世界平和」ではないでしょうか。皆が協力しないと地球がどんどん悪い方向に進んでいくという訴えが隠れているのを感じました。
文部科学大臣賞の関本さん「木を切らないでください」という作品についても、大きな草食動物の象と人間との争いだけでなく、人間が象のいる場所を侵略している。ここにも戦争の影を感じました。侵略することと追い出すことは現実に世界で起こっている事です。今の時代を象徴的に描いているように感じました。
次に現代風な作品として文部科学大臣賞の兼松さん「警告!! 海を傷つけないで」という作品についてです。非常に動画的な要素を感じました。動きのある要素を一つの画面に入れて表現した。という感じで、現代的な新しい表現がされていると感じました。
環境大臣賞受賞の草薙さんの「いま、難局です・・・」という作品についてです。難局と南極の言葉を上手く使用している。色も南極らしからぬ色を使用し、氷の部分が蠟燭のように見えていて、これは本当に温暖化のカウントダウンが始まっているという訴えが良いなと思いました。
最後に環境大臣賞の木村さん「お母さんどこ」という作品についてです。小学生の木村さんは動画を通じて海洋ゴミの現実を知り、絵で描かれたアザラシが海洋ゴミを自分の母親だと思ってしまった。というショックを絵として表現したものです。そのショックを受けた気持ちは確実に絵を見た側に伝わるもので、非常に訴える力があるなと感じました。
芸術について書かれた言葉で、私が共感するものに「科学は神が作ったものを研究するもの、芸術は人間が作り出すもの」という言葉があります。人が作ったものすべてが芸術です。その中でも優れたものが人に感動を与えてくれる。このコンクールの表彰式での作文の朗読を聞くと私は毎回感動します。作文も勿論芸術です。美術、音楽、文学など人間が作り出したもの全てが芸術です。それで人間を感動させる。皆さんは素晴らしいことをやっています。今後もぜひ続けていってほしい。日本社会は科学の方に力を入れがちと感じますが、芸術の分野にも力を入れ、人を感動させてほしい。世界を平和にしていくには芸術しかないのではないかと最近思っています。
皆さんにもそういう方向に是非進んで頂きたいなと思います。
本日はおめでとうございました。
表彰式の終了後、環境問題に対して自らにできる行動を考えるきっかけになることを願って、「環境教育シンポジウム」が開催されました。
登壇者
林 彰一 氏 (クライメート・リアリティ・プロジェクト リーダー)
澤田 智子 氏 (ゼロエミッションを実現する会・牛久)
木虎 大河 さん (環境教育ポスターコンクール 内閣総理大臣賞受賞者)
梅川 珠美礼 さん (環境教育ポスターコンクール 環境大臣賞受賞者)
鈴木 美陽 さん (作文コンクール 学研賞受賞者)
モデレーター
三浦 恵美里 氏(株式会社ミウラ・ドルフィンズ代表取締役)
第16回環境教育ポスターコンクール 受賞作品と審査委員講評
作文コンクールの受賞作品はこちらをご覧ください
- 小学生の作品は、自身が感じたことを感じたままに描けているものが多かった。中学生・高校生になると、知識が増える分、作品の方向性が知識に引っ張られている様子も見られた。
- 小学生でも環境に対し高い意識を持っていることがうかがえた。「環境」をテーマとした際に、子どもたちが明るいポスターを描くことができるかどうかは、大人の手にかかっている、ということを改めて実感させられた。
- 例年の審査では、その年に話題になった事柄がポスターに描かれることが多いが、今年の作品にはそういう傾向がなく、扱うテーマが多岐にわたっていた。身近な生活の中から環境の変化を捉えた作品が見られた。また、未来を見据えた作品も多かった。
- 今回の最終審査では、「これまでになかった視点で描かれた作品」が多く選出されている。従来の作品に似せるのではなく、新しい発想で作品づくりに取り組んでほしい。
■内閣総理大臣賞
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神戸市立高取台中学校 2年木虎 大河
- 本人コメント
- 僕は絵を描くことは好きですが、環境についての知識は深くありません。そんな僕でも地球温暖化などの環境問題が多くの生物に悪影響を与えているという事を聞いたことがあります。
このポスターは人間一人一人が環境問題や他の生物との共生について興味を持ってほしいという想いで制作しました。
- 審査委員講評
- 地球に一緒に暮らすものたちの共存を求める絵。描かれているのは動物の手だが、この絵は人種が違っても地球人としての各国の人間が共存していかなければならないことも暗示させられているように思う。動物たちが協力しあおうという図でありながら、その背後に、現代において争い合う人間へのメッセージも込められているように思えた。
■文部科学大臣賞
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神戸市立舞多聞小学校 4年関本 夏帆
- 本人コメント
- 私は学校の授業で木は空気をきれいにすると勉強しました。だから必要以上に木は切ってはいけないと思いこのポスターを描きました。
木を切りすぎると空気が汚れるし動物が困ると思います。
私ができること、それは物を大切にすること、自然を大切にすること。身近にできることをがんばっていきたいと思います。
- 審査委員講評
- 草食動物の代表として象を描き、人間のエゴで象の生息域であり、食物のある森を減らし続ける人間の行動が批判されています。人間の都合で畑にしようとしているのは侵略行為だという訴えかけです。画面半分に大きく描かれた象が大きな怒りを感じさせ、印象的です。
守谷市立御所ケ丘中学校 3年原田 結衣
- 本人コメント
- 近年、害獣や外来生物などの畑あらしや生態系破壊が取り上げられるけれど、それらの生き物は、人間に追いつめられたことで問題を起こします。「生き物を悪者にせず、私たち人間にも責任があることを忘れず、自然と共存していこう」というメッセージを込めてこのポスターを描きました。
- 審査委員講評
- 他の生き物たちの生活場所や食べ物を減らしているのが人間であり、それで熊が人里に現れてきているという現状をうまく表現しています。更にその食べ物が要らなくなると捨てられている現実。二重の意味での人間の身勝手さがうまく表現されています。
■環境大臣賞
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川口市立並木小学校 4年木村 朱里
- 本人コメント
- 私はニュースや動画で海がプラスチックゴミなどであふれているのを見ました。中には動物がゴミのかたまりを母親だと思い込み、体をすり寄せているものもありました。それはとても残酷で悲しい事だと思い、私達のポイ捨てが海洋ゴミ問題につながることを考えてもらえたらと思い書きました。
- 審査委員講評
- 何とも悲しい情景の絵です。子どもが大きなゴミの塊をお母さんと勘違いしている現実があることを知り、衝撃を受けて描かれたのでしょう。子どもの鯨でしょうか、お母さんだと思って寄り添っているうちにゴミの紐が絡まってしまった、残酷で悲しい情景ですが、とても訴えかける力を感じます。
上野学園中学校 3年草薙 結丹
- 本人コメント
- 今、地球温暖化で南極の氷が溶けていることを知り、それに住んでいる生物のペンギンと溶ける氷を表現しました。「南極と難局」をかけて、今にも消えてしまいそうな氷の場面を描き、ポスターを見た人が少しでも地球温暖化防止について考えてもらえたらという思いで描きました。
- 審査委員講評
- 「なんきょく」の2つの言葉の意味をうまく使って表現されています。南極のイメージとは正反対の燃えるようなオレンジ色が、テーマをうまく引き出し、細長い氷の柱とその上に乗ったペンギンが「ろうそく」のように見えて、既に氷が溶けて消えてしまうまでのカウントダウンが始まっていることも感じられます。
■理事長賞
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■銀賞
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横浜市立荏田西小学校 6年表寺 心聖
- 本人コメント
- 天文台から眺めた海はとてもきれいに見えた。だけど、近づいてみるといろいろなゴミが浮かんでいた。遠くから見た海のように未来もきれいな地球を想像していた。だが、実際は汚れた地球かもしれない。だから、今、地球のためにできることをしていきたい。
- 審査委員講評
- 野生のラッコの全体像、つやつやした毛並みと浮遊感、それから捨てられてラッコ似にねじれたペットボトルの形状がとても上手に描けています。仰向けに浮かぶラッコの姿と、よく似た形になって漂うペットボトルを並べるアイディアを、よく思いつきました。ラッコが愛らしいだけに「ともだち いっぱい?」という標語がより切なく、問題になっているプラスチック製品のポイ捨てについて、見る人に考えさせる作品です。
加古川市立加古川小学校 1年近藤 圭
- 本人コメント
- でんきをきったり、コンセントをぬくと、せつでんになってちきゅうのためになるとおもってかきました。
- 審査委員講評
- 地球沸騰化とまで言われた今年の夏の厳しい暑さに、危機感を覚えた人は多かったはずです。一人一人が身近な生活習慣を見直し、節電に努める大切さに着目して、まずはコンセントを抜いてみることを思いついたのですね。地球と男の子の笑顔が生き生きとしていて、メッセージが真っ直ぐに伝わります。誰もが、こんな笑顔でいられる未来がいいですよね。
広尾学園中学校 3年市瀬 由宇
- 本人コメント
- 海が汚染されている原因はゴミではなく、人間だ。「海に浮いているプラスチックはどう思っているのだろうか?」と思い、プラスチックゴミの視点から描きました。海洋汚染に影響されている仲間を描き、希望の思いの象徴として白い鳩を入れました。
- 審査委員講評
- たくさんの生き物たちの興味深げな表情が魅力的で、淡い色調も綺麗です。彼らから見つめられている、プラスチックゴミの目線で描かれているということを理解するまでは少し戸惑いましたけれど、作品を見ているうちに、「どうかこれを口にしないで」と、祈るような気持ちになりました。ただただ一生懸命に生きるものたちを苦しめる海洋汚染を止めたいとの、作者の願いが率直に伝わってきます。
高松市立牟礼中学校 3年久本 莉子
- 本人コメント
- 人がプラスチックゴミやポリスチレンゴミを捨てることにより、罪のない多くの魚たちが死んでいることを知りました。私はゴミを捨てることが面倒だからといって、ポイ捨てをする人を少しでも減らしたい思いでポスターを描きました。
- 審査委員講評
- ドラマティックな構図と色使いに、しんとした海底に広がる罪の深さを感じました。海の生物たちが間違って口にしたマイクロプラスチックが、彼らにどのような影響を与えるのか。そして、その魚を口にした人間の健康には、何が起きるだろうかとの悶々とした想像が広がります。私たちの生活に欠かせないプラスチック製品は、その最後まで責任を持って処分しなくてはいけません。現状の深刻さに向き合おうと力強く訴えかける作品です。
■銅賞
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杉並区立荻窪小学校 5年長尾 維子
- 本人コメント
- 海氷の減少、乱獲、水質汚染、地球温暖化によって生物の多様性が失われていることを知りました。そして私達が行動を改めることで未来を守れることも知りました。私達の行動を改めるために現状を知ってほしいと思い、このポスターを描きました。
- 審査委員講評
- 溶けて小さくなった流氷に乗って口を大きく開けたシロクマ、網にかかっている鯨、背景には、上半分が砂漠のように色が変化し、下半分が波の下になり水がこぼれ落ちる地球が描かれています。「今を知る 未来を守る 第一歩」という言葉から、乱獲や水質汚濁、地球温暖化によって、様々な動物の生命が脅かされている現状があり、私たち人間の行動を改めてほしいというメッセージが伝わってくる作品です。
神戸市立小束山小学校 6年寺田 直太郎
- 本人コメント
- 水族館で見たクラゲの水槽は幻想的でとても美しく、いつまでも見ていられました。海の中も同じようにキレイな世界が広がっていて欲しいと思います。
- 審査委員講評
- 背景には白いクラゲと、ペットボトルなどのプラスチックのゴミが浮遊していて、画面中心のウミガメが、間違ってプラスチックゴミを食べている場面が描かれています。青系の背景に浮かぶクラゲやゴミは、透明感のある色で塗ってあり、餌なのかゴミなのか分からないように描かれています。海の生き物のために、海洋ゴミを減らしていこうというメッセージが強く伝わってくる作品に仕上がっています。
守谷市立御所ケ丘中学校 3年須賀 結愛
- 本人コメント
- 熊がスイカ畑を荒らすというニュースを耳にし、畑を荒らす熊の心情を自分なりに想像しました。人間による森林の伐採で食料や住処を失った熊は山を降り。食料を求めて畑を荒らしたのではないか。原因は熊だけではないことを思い描きました。人にできることは何か考えたい。
- 審査委員講評
- 手前には新鮮なスイカを食べる親子の熊、その後ろには熊出没注意の看板、背景は森林が伐採された情景が描かれています。森林伐採のために、熊の住処や食料がなくなり畑のものを食べている状況が鮮明に伝わってきます。「本当に、私たちのせい?」という言葉からも、熊が出没する原因について、我々人間が考えることが大切であるというメッセージが伝わってくる作品に仕上がっています。
■安藤忠雄賞
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埼玉県立大宮光陵高等学校 1年岩坪 千裕
- 本人コメント
- 今、世界中でマイクロプラスチックや海水の汚染が問題になっていることをよく耳にします。近い将来、魚が食べられなくなってしまうのではないかという話も聞いたことがあります。
人々の様々な行動によってひきおこされてしまった海洋汚染は遠いもの、自分とはあまり関係ないものと思えてしまっても、実はすごく身近なものであり、すぐに改善に努めるべきだと思い、ありふれた日常のワンシーンを題材にポスターを制作しました。
- 審査委員講評
- 2050年の食卓に並ぶお魚。でもその中身はプラスチックだらけで食べられない。「このおさかなもたべられないよ」という子どもの言葉から、事態の深刻さがうかがえます。こんな未来にしないためにも、いま私たちが何とかしなければならない――シンプルな表現の中に、作者の切実な思いが伝わってきて、強く印象に残りました。
■三浦雄一郎賞
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■学研賞
作品を多数応募し、学校全体で環境活動に取り組まれている学校にお贈りしています。
東京都 東京創価小学校
大阪府 和泉市立いぶき野小学校
■入賞:小学生の部
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北区立豊川小学校 5年髙田 智弘
- 本人コメント
- いま、ぼくたちができることは、生態系を守ることだと考えます。陸と海の生態系ピラミッドを合わせて、地球全体の生命の多様性を表現しました。絵にえがいたぼくの大好きな生き物たちの生態系を守っていきたいです。
- 審査委員講評
- 地球の陸と海。その二つの生態系ピラミッドを合わせることで、私たちの住む惑星が素晴らしい生命に満ちて形成されているということを伝えてくれています。標語が相まって守るべき姿、生き物たち、そしてそのバランスを知らしめてくれています。
札幌市立資生館小学校 5年縄 乃々香
- 本人コメント
- 今この時間もどんどん環境破壊が起きているが、地球は自分でSOSを出す事はできない。ならば、私たちが行動してそれをくい止めなければならないと思う。出来る事は必ずある。
- 審査委員講評
- 環境破壊がすすむ地球は自ら言葉で私たちに伝えることは出来ないー「だから行動で示す」という標語の内容がジグゾーパズルのなかにひとつひとつ描かれて、とてもアイディアに富んだ作品です。人の手でそれらのピースを実行してはめていくことが大切な行動であることを伝えてくれています。
神戸市立渦が森小学校 5年菊川 空蒼
- 本人コメント
- 鮭が産卵のために帰ってくる川を守り、未来につなげていきたいという思いを描きました。
- 審査委員講評
- 子どもたちが一生懸命にゴミを拾っている絵の中央で鮭が元気よく跳ねて、命の躍動感を表現しています。生き物の本来あるべき姿を未来につなげるために、自分たちで出来ることからはじめよう!そんなメッセージが聞こえてきます。
■入賞:中学生の部
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上野学園中学校 2年峯田 寿
- 本人コメント
- 私はテニス部に所属しています。毎年、地球の温度が上昇していて、特に夏は外での練習は熱中症と隣り合わせです。そんな地球は消火しなくてはいけないレベルになっていると思い、危機感を持って地球温暖化を考える機会になればと思いました。
- 審査委員講評
- 消防車と地球の背景には、激しく燃える炎が描かれています。「火事ですか?地球温暖化ですか?」の言葉からも、どんどん暑くなっていく地球温暖化の問題について考えさせられる作品になっています。また、背景を暗い色にして、黄色から赤色のグラデーションで炎を強調するよう工夫されています。危機感をもって地球温暖化について考えていこうというメッセージが伝わってくる作品です。
守谷市立御所ケ丘中学校 2年飯田 萌々華
- 本人コメント
- 私は登校中、たまにゴミを見つけることがあります。その度「皆が気遣いと優しさを持てばポイ捨てなんて起こらないのに」と思い、このポスターを描きました。ポスターを通じてポイ捨ての最低さを少しでも訴えかけたいです。
- 審査委員講評
- 手前の青い鳥の周りには、ビニール袋やプラスチックなどのゴミがたくさん捨てられ、枝の葉も少ししかありません。また、画面中央の草原には無数のゴミ袋が置かれ、それが奥の方に続いているのがわかります。「ちょっとの気遣い ちょっとの優しさ」の文字からも、人間それぞれが少しの気遣いと優しい気持ちをもって、不法なゴミ捨てやポイ捨てをしないようにしていこうというメッセージが伝わってきます。
浜松市立可美中学校 3年加茂 春樹
- 本人コメント
- 人々は世界にゴミがあふれている事を知りながら見て見ぬ振りを生活している、その危険性を怪物として表し3Rで戦わせている場面として表現しました。これにより環境問題を一緒に戦ってほしいという願いで描きました。
- 審査委員講評
- 手前から奥にかけて3体の怪物が戦っていて、ビルが壊れ煙があがるなど、街を破壊していく状況が描かれています。怪物が画面からはみ出るように描かれることで、より大きく感じるだけでなく激しく動き回る感じにも見えるよう工夫されています。また、文字の色も変えることで、「事実と向き合え 環境問題!! 3R」という言葉がはっきり読めるようになっています。世界にゴミがあふれていかないように3Rをしっかり考えて、環境問題に取り組もうというメッセージが伝わってくる作品になっています。
富山市立大泉中学校 2年蓮野 愛瑠
- 本人コメント
- 今の地球をもっと目に見えやすい方法で表現しようと思い、今回のポスターを描きました。地球儀に体をつけて腕を組むポーズにすることで、今の地球のままでいいのかをうったえる意思を表しました。
- 審査委員講評
- スーツを着て腕を組んでいる人間の頭を地球儀にし、その中にプラスチックや瓶などの様々なゴミが詰まっている様子が描かれています。絵だけではなく文字も上から見下ろすような構図で描かれており、頭の地球儀の部分が強調されるように工夫されています。「わたしは地球です」の文字からも、ゴミがあふれる地球にならないよう、一人一人が環境問題に取り組んで欲しいといったメッセージが伝わってきます。
■入賞:高校生の部
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東京都立工芸高等学校 定時制3年栗脇 ほのか
- 本人コメント
- 自分たちの行動次第で地球温暖化の未来は良い方にも悪い方にも変わっていくという事を世界地図に写真を貼り付けた絵で表現しました。また下の写真には良い未来、悪い未来の写真があります。次は何を選びたいか問いかけるポスターにしました。
- 審査委員講評
- 地球環境に、どのような未来を欲するのか。選ぶことができるのは、今ここに住む私たちです。作者はきっと様々なシチュエーションに想像力を馳せたのでしょうが、それらどの場面も丁寧に描かれています。一枚ずつ写真の体を取ったのは良いアイディアで、未来を託された私たちに、わかりやすく選択肢を示してくれています。明るい未来への希望が込められた作品になりました。
東京都立工芸高等学校 定時制3年渡 真紀
- 本人コメント
- 近年、海へのゴミのポイすてなど、海洋汚染が問題になっています。それによってプラゴミやアルミ缶などで海の生物に悪影響をおこし、生物たちの日常が変わっていくようすをヤドカリを例に表現しました。正しい貝(家)に住めないヤドカリ。いつかこのヤドカリは正しい家を日常を取りもどすことができるのでしょうか。
- 審査委員講評
- 本来ならば、体の成長に合わせて大きな貝に引っ越すヤドカリ。しかし、このヤドカリは今現在もペットボトルの蓋で間に合わせている上に、新しい貝の入荷時期も不明なようです。本来の姿で生きることが叶わない小さな生き物へ注がれた作者の優しい視線が、しっかり伝わってきます。と同時に、ユーモアの中にも、人間の行いによる被害者がここにもいることを教えてくれます。
埼玉県立大宮光陵高等学校 1年𠮷井 莉子
- 本人コメント
- プラスチックの分解には数百年以上の時間がかかります。この事実を知り私は、人間が死んでもつくり出したものは残り続け地球を汚していくことに恐怖を感じました。このポスターを見た人が、危機感を持って、自らの行動を変えてくれることを願いながら描きました。
- 審査委員講評
- 人の命が尽きると肉体も滅びるのに相反して、自然の中に放置されたプラスチック製品は分解されず、そのままの姿で残り続ける。このことに気づいた作者が感じる恐怖心が、じわじわと伝わり背筋が冷たくなるようです。思い切りよく描きましたね。便利さや手軽さだけを追い求めた末に何が起きるのか、見る側に突きつける作品になっています。
埼玉県立越谷西高等学校 3年清田 詩織
- 本人コメント
- 紙の破れ目から汚染された海が見えていること、また、魚の問いかけから、「環境問題を見て見ぬふりをしないでほしい」という思いを表現しています。
- 審査委員講評
- 訴えたい内容を最大限に表現する最も効果的な方法について、作者はよくよく考えを巡らせたのではないでしょうか。その結果が成功していて、インパクト大の大胆な構図は見た瞬間にドキッとさせられます。ちょっと怖くもあり、でもその後はこの魚が味わった息苦しさを想像して、つらく悲しくなります。問題提起して考えさせる、メッセージ性の強い作品に仕上がっています。
兵庫県立姫路工業高等学校 2年島田 紗香
- 本人コメント
- 海がゴミであふれて、ウミガメが海の場所を見失ってしまっている絵を描きました。生き物みんなが美しい自然の中でのびのび暮らすことができる世界になればいいなと思います。そのためには私たち人間の暮らし方が大切になってくると思います。
- 審査委員講評
- ゴミであふれた海岸で、迷子になってしまったのでしょうか。ウミガメの後ろ姿に謝りたくなります。標語の「海、どこ?」も、痛々しく受け取れます。人間が汚してしまった海を元に戻すことができるのは人間だけだという現実を上手に表現しています。生き物たちが本来の住処で、自由に、平和に、その命をまっとうできる世界にしたいものです。
大阪府立工芸高等学校 2年中谷 流歌
- 本人コメント
- 身近なことから、環境につながるので、まず自分のまわりからできることをさがしてほしいと思った。
- 審査委員講評
- 環境問題について考えたとき、周囲を見渡して、自分にできることを探してみる。見つかったら、行動に移してみる。小さな気づきから始まる活動がやがて芽吹いて花開き、実を結ぶのです。標語とイラストがピタリとはまって分かりやすいです。全体の色使いも洒落ていて、ユニークなキャラクターがなんともチャーミングです。
宮崎日本大学高等学校 2年有木 舞彩
- 本人コメント
- レッドリストにのっている1つである「ヤマメ」と、人類の共存を、ただ望むだけでなく、「目指す」思いをこめて、制作しました。
- 審査委員講評
- 色に頼ることなく、筆致は至極シンプルでありながら迫力を感じさせるのはデッサンの力でしょう。細部までこだわって書き込んだことで完成度を高めており、特にヤマメが生き生きと描かれて動きを感じます。全体的に大人っぽい雰囲気で、人とヤマメが一緒に生きている姿は美しく、物語を感じさせます。この作者の他の作品も見てみたい。そんなふうに思わせます。
広島大学附属福山高等学校 2年石末 結愛
- 本人コメント
- 日本人の道徳心と豊かな自然の象徴として伝説の生き物である天狗を描きゴミの不法投棄をする人間への怒りを表現しました。様々な環境問題が山積していますが、まずは身近な問題に目を向けてもらいたいという思いを込めて制作しました。
- 審査委員講評
- 無責任で個人主義の産物である不法投棄は、近年特に問題視されています。日本人の道徳心を呼び覚ますために作者が選んだのは天狗でした。深い山奥に棲む天狗がテリトリーを荒らされて怒っている立ち姿は迫力あります。捨てられた物の中にはリサイクルできるものもありそうで、考えさせられます。ルールとマナーを守れ、賢い消費者たれと、天狗から叱られているようです。
■海外賞
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【金賞】
バンコク日本人学校(タイ) 小学2年多田 史花
- 本人コメント
- 一年生の時、日本で川と海のごみひろいにさんかして、たくさんのごみを見ました。タイにきても同じでした。人間のせいでぜつめつしてしまう生きものがいると知ってかなしかったです。みんなできょう力し合えばキラキラえがおいっぱいのせかいになるはずです。
- 審査委員講評
- 素晴らしいデザインと色彩に満ちた作品です。生き物たちの笑顔で幸せに、みんなが仲良くなることで世界が変わる、そして心が豊になるということをとても楽しく表現してくれました。これからもぜひ、こんな素敵な絵を沢山描いてください。
【銀賞】
メルボルン日本人学校(オーストラリア)
小学6年松下 智生
- 本人コメント
- 僕は人間による森林伐採などで、動物の居場所をうばってしまって、日本の固有種が減っていることを知りました。「日本の美しい森とぼくたちが消える前に」と動物たちが人間たちに助けを求めているような絵をえがきました。
- 審査委員講評
- 画面いっぱいに描かれている動物たちはとても丁寧で活き活きしています。彼らが見つめる先にいる私たちはしっかりとその視線を受け止める責任があります。心に訴えるとても素敵な作品となっています。