表彰式・作品レポート

2023年度の受賞作品をこのページでご紹介します。作者のコメント・審査委員の講評も併せて掲載しています。

【作品一覧】※受賞名をクリックするとそのポスターに移動します。

※過去の入賞作品はコンクールメモリーのページからご覧になれます。

■第15回環境教育ポスターコンクール 応募点数
ブロック 東日本 西日本 海外 合計
小学校 651点 289点 26点 966点
中学校 2169点 763点 2点 2934点
高校 1176点 665点 4点 1845点
合計 3996点 1717点 32点 5745点

2023年度の第15回環境教育ポスターコンクールでは、国内からは5713 点、海外は9か国から32点の作品が集まりました。

2023年11月19日に明治記念館 富士1にて、多くの参列者のもと、表彰式を開催しました。第5回子ども作文コンクール表彰式との同時開催です。会場には受賞作品が展示されました。

表彰式の様子 表彰式の様子

ポスターコンクール表彰式では、環境省 環境副大臣 八木哲也様より、ご挨拶と環境大臣賞・内閣総理大臣賞の表彰状を授与していただきました。
表彰状・副賞の授与のあと、大臣賞受賞者からは、受賞者を代表してスピーチをいただきました。作品に込められた想いを話してくださいました。

表彰式の様子 表彰式の様子

式の最後には、清水泰博審査委員長より作品全体に対する講評がありました。

 受賞された皆様、おめでとうございます。今年の応募総数は5745点で、今回35人が受賞されました。ですから皆さんは160倍以上の倍率を突破して選ばれたということで、ぜひ自信を持ってこれからもやっていっていただければと思います。

 今回の受賞作品がどんなテーマで描かれているか集計をしてみました。「ごみ問題」を扱った作品が一番多く、全体の約3分の1ありました。その中でも特に「海洋ごみ」をテーマにしたものが全体の4分の1でした。それだけ、「ごみ問題」、特に「海洋ごみ」への関心が高いのだと推測されます。「地球環境」や「温暖化」を扱った作品は、昨年と同程度の比率でした。また今年はコロナを扱った作品はあまりありませんでした。選ばれたテーマを見ていくと、その年その年の皆さんの関心が分かってきます。
 今回、私が強く感じたのは戦争の影響です。例えば、内閣総理大臣賞の薄井さんの作品は「地球と仲よくしよう」と環境との共生を呼び掛けていますが、現状は地球と人も、人と人も「仲良く」できていない。そのような思いが込められているのではないかと感じました。
 また特徴的だなと感じたものとして、地球温暖化で話題になる、山口さんの作品のようなシロクマだけではなく、今回はクマ(ヒグマ)を描いた絵が結構ありました。今年は各所でクマ問題が起こっていますが、人がクマのテリトリーを冒したから、クマが人里に下りて来てしまっているわけですね。この問題に対して、秋山さんは「どちらが悪いのか」と呼びかけています。私はこの作品にも昨今の戦争の影響を感じてしまいました。
 今年は、太田さんや戸高さんのような「動物との共生」を呼び掛けた作品が多かったのも特徴的でしたし、羽石さんや風間さんの作品のように、地球を別のものに置き換えた作品は、審査委員に強い印象を与えました。
 SNSが広く世に浸透していることを感じさせる作品もありました。きれいな写真がインターネット等を中心にもてはやされる時代ですが、粟野さんの作品はそのようなイメージでありながら、描かれているものが違います。また写真に写っていない部分は汚れていて、そこから目を背けてはいないか、というメッセージを投げかける作品も見られました。
 以上のように、作者の皆さんは世の中の動きをしっかりと観察しているな、と感じさせる作品がたくさんありました。描かれているもの以上に深い内容が読み取れるような、考えさせられる作品が非常に多くあったように思います。

 先ほど、作文コンクールの表彰がありました。「先生」をテーマとする作文の朗読がありましたが、「先生」とは、教えるだけの存在ではなく、皆さんが感じていることに耳を傾ける存在であるべきなのだろうなと強く感じました。私も「先生」の端くれなのですが、自分はきちんとできているんだろうかと、この場に来て、毎年学ばせていただいています。
 そういう意味では、子どもたちの指導をされている先生方にお願いをしたいのは、こういうふうに描くと上手な絵が描けるよ、という指導ではなく、子どもたち一人一人が持っている個性を伸ばす方向で温かく見守っていただければと思うことです。
 本日はおめでとうございました。

表彰式の様子 表彰式の様子

表彰式の終了後、環境問題に対して自らにできる行動を考えるきっかけになることを願って、「環境教育シンポジウム」が開催されました。

登壇者
東岡 礼治 氏 (環境省 大臣官房 環境教育推進室 室長)
本田 竜也 氏 (株式会社ウェザーニューズ、気象予報士)
森下 良治 氏 (株式会社ウェザーニューズ、災害ボランティア活動家)
薄井 柚咲 さん (環境教育ポスターコンクール 内閣総理大臣賞受賞者)
羽石 茉莉花 さん (環境教育ポスターコンクール 文部科学大臣賞受賞者)
 モデレーター
 三浦 恵美里 氏(株式会社ミウラ・ドルフィンズ代表取締役)

表彰式の様子 表彰式の様子

第15回環境教育ポスターコンクール 受賞作品と審査委員講評

  • 小学生の作品は、自身が感じたことを感じたままに描けているものが多かった。中学生・高校生になると、知識が増える分、作品の方向性が知識に引っ張られている様子も見られた。
  • 小学生でも環境に対し高い意識を持っていることがうかがえた。「環境」をテーマとした際に、子どもたちが明るいポスターを描くことができるかどうかは、大人の手にかかっている、ということを改めて実感させられた。
  • 例年の審査では、その年に話題になった事柄がポスターに描かれることが多いが、今年の作品にはそういう傾向がなく、扱うテーマが多岐にわたっていた。身近な生活の中から環境の変化を捉えた作品が見られた。また、未来を見据えた作品も多かった。
  • 今回の最終審査では、「これまでになかった視点で描かれた作品」が多く選出されている。従来の作品に似せるのではなく、新しい発想で作品づくりに取り組んでほしい。

■内閣総理大臣賞

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つくば市立香取台小学校 6年薄井 柚咲

本人コメント
今の地球は、自然のバランスが崩れてしまっていると思います。
それは人間が生きやすい環境を求めるあまり、いつの間にか地球の豊かな自然を使いすぎてしまったからです。これからは人と自然が、手を取り合って仲良く生きていくことが大切だと考えています。
審査委員講評
分かりやすい言葉と絵の表現で、自分勝手な人間の行いに対する反省を求めています。また今のいくつもの戦争の状況に触発されたのかもしれません。「自然」の「手」をどう表現するかが難しいところだったのですが、「水の手」にすることによって、うまく握手することが出来ています。またそこには川によって森と海とが繋がっていることもうまく表現されているように思います。

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■文部科学大臣賞

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宝塚市立売布小学校 4年太田 愛梨

本人コメント
近年ウミガメが、プラスチックを食べて死んでしまったり、サンゴもゴミを食べて白化するというざん念なニュースを耳にしました。生まれた子ガメが色々な困なんにも負けず、海に進んで行く様子がとても心にのこり、みんなで未来を守っていきたいと思いました。
審査委員講評
ウミガメの赤ちゃんが一所懸命海に向かっている絵、そこに子どもたちのために綺麗な海を取り戻さなければならないということがうまく重ね合わせて表現されています。標語の言葉もウミガメの子どもたちの様子を語っていながら、我々人間皆への語りかけにもなっているところが素敵です。

茂木町立茂木中学校 3年羽石 茉莉花

本人コメント
社会の時間に地球温暖化により砂漠化が進行している地域があると学びました。砂漠から連想したのは砂時計です。絵のような状況を逆転させたいなと思い描きました。
審査委員講評
「砂漠化」から「砂」への連想が、更に「砂時計」に繋がり、この連想を環境問題の流れを逆転させたいという表現に使ったところがとてもいい着想だと思います。同じ量しかない地球の環境を砂漠から緑地に変えようという趣旨で、今までになかった環境問題への提案の絵になっています。

白鷗大学足利高等学校 1年風間 瑞

本人コメント
人間によって崩れていく生態系のバランスを、ジェンガを抜く作業で表現しました。
人間の手が抜き取っているジェンガの柄は、密猟が問題になっている動物、破壊されていく森林、汚されていく海を描いています。自然を破壊する手を止めてほしいという願いから制作しました。
審査委員講評
人間の環境破壊を「ジェンガ」を抜く行為に見立てたところがとてもいい着想です。この置き換えの発想に新しさを感じました。いくつもの手が伸びている状況を描きながら、「手を止めて見直して」という言葉との対比が今をうまく表現しています。その中でじっとこちらを見つめる動物たちの目も印象的です。

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■環境大臣賞

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杉並区立浜田山小学校 2年山口 礼

本人コメント
わたしはちきゅうおんだんかについての本をよんで白くまがこんなにもつらい思いをしていたなんて思いもしませんでした。これいじょうほっきょくのこおりがとけないようにねがいをこめてかきました。
審査委員講評
一目見て印象に残る絵です。画面いっぱいに描かれている白くまがとてもうまく描かれていて、その周辺の赤くなった氷(氷のなくなった島)と太陽が今の状況をうまく表現しています。温暖化の状況を知って、それを自分の感じたままに表現したところが素直でとてもいい作品になっています。

守谷市立御所ヶ丘中学校 3年粟野 結衣

本人コメント
この作品は、豊かな環境を守るためには何ができるかという思いを込めて描きました。
ヤマメは綺麗な水に棲む魚です。そのためゴミなどが増えればいずれ姿を消してしまうかもしれません。未来へかけがえのない自然と生き物を私達皆の手で守っていきたいと考えています。
審査委員講評
絵の構図と描かれた内容、絵の表現力がとても素晴らしい作品です。山の中の釣り人と魚の状況を描くような構図でありながら、そこに描かれた川底や人の持っているものが少し違うことによって今の川や自然の状況、そして求められている活動をうまく表現しています。

宮崎日本大学高等学校 2年戸髙 百桃

本人コメント
サンゴの生えている美しい海が、汚染のせいで枯れてしまった状態を描きました。
また、自由に泳ぎたい 1 匹の亀がゴミに引っかかり、泳げないこの場面は、自分たちだけでなく、他の生き物の自由まで奪ってしまったことを意味しています。このポスターを見た方々が、環境について深く考えて下さることを願って描きました。
審査委員講評
人間の自由が動物たちの自由を奪っていることが表現されています。ここに表現されていることは実際にはないのかもしれませんが、このような状況と同じなのだという主張です。「あなたがこのような状態だったらどう思いますか」という声が聞こえてくるようです。

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■金賞

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伊勢市立明倫小学校 5年加藤 雪舟

本人コメント
ぼくは、伊勢の町が好きです。おじいちゃんとメダカやタガメなどをとりにいき、海水浴をすると魚が泳いでいます。でも釣りに行くと今まで釣れなかったキビレなどが釣れるようになりました。地球温暖化のせいだとおじいちゃんに教えてもらいました。
ぼくは庭にビオトープを作ったりプラスチックのものを使わないようできることから始めています。
伊勢の町の海や川を守るのが、ぼくの夢です。
審査委員講評
絵の中心を流れる緑の流れのなかに小さな微生物が細かく描かれていて、ミクロとマクロの両方の視点から環境問題を捉えている作品です。自分の身近な世界を観察する探求心と、将来の夢を行動に移していくという作者の想いがとても素晴らしいです。

群馬大学共同教育学部附属中学校 2年山下 湊太郎

本人コメント
地球温暖化によって永久凍土や南極のこおりが溶けて、様々な問題が起き始めてしまっているという状況を知って、これ以上地球温暖化を進めてはならないと思いながら描いた。
審査委員講評
数ある白熊を題材にしたポスターのなかでも、全体を暖色系の色で表現することで地球の温暖化を伝える観点が秀逸です。素晴らしいタッチで本来の北極ではありえない「熱」が強調され、観るものにあらためて環境問題の本質を問う画力のある作品です。

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■銀賞

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開智小学校 4年佐藤 美嘉

本人コメント
ときどき学校で、だれかが水道の水を出しっぱなしにしているので、それをやめてほしいっていうことでこれをかきました。
もちろん電気も節やくしてほしいのでこの作品にかきました。
審査委員講評
日本の自然環境、ここに暮らす人、生き物、植物そして今ある資源を守りたい気持ちを素直に表現していると思いました。よく見ると多くの要素が描き込んであるので、守らなくてはいけないものが、こんなにもたくさんあるのだと、作者はこのポスターを描きながら気づき、学び、そして思いを新たにしたのではと想像しました。自分の周囲に存在する小さな気づきをこうして形にし、広めてゆくのは環境保護の第一歩です。

神戸市立小束山小学校 6年アンウィン 栄陸

本人コメント
今、海のゴミは増え続けていて、このままでは、魚よりゴミの方が多くなる事を知りました。魚は、他の海の生き物や僕たち人間が生きていく中で必要とされているから、ゴミを減らそうという気持ちで描きました。
審査委員講評
画面からはみ出すくらいの勢いで、真っ赤になって怒っているタコ。思わず「ごめんなさい! もうしません!」と、謝りたくなるほどの迫力です。まず、インパクトが大きくて目を引きました。わたしたちの目が届かない海の下で、ただ一生懸命にその生を営んでいる生き物たちが、人間の無責任な行いによって受ける多大な被害をストレートに、ちょっと怖いけれど、でも少しのユーモアを交えて巧く伝えています。

成田高等学校付属中学校 3年秋山 遼太

本人コメント
動物のすみかの山を壊し、ソーラーパネルを設置する人間。人間の食べ物を食い荒らす動物。メディアでは動物が悪いように報じられているが、本当に悪いのはどっちなのか。人間がやっていることは正しいのか。そんな絵にしました。
審査委員講評
わたしたち人間は、野生動物が過酷な環境で懸命に生きる姿に感動したり、励まされたりします。一方で、このポスターの熊のように、森林伐採や開発によって本来の棲家が奪われ、生きるために山を降りて人里に出没した野生動物が、農作物や人的被害を起こしてしまう現状に頭を抱えます。人間と野生動物が上手に共存するためにできること、すべきことに真剣に取り組むべきと教えてくれる作品です。奥の山並みのソーラーパネルと、手前にある農作物被害の対比が効果的で、後ろ姿の熊が問題提起しているように見えます。

高松市立牟礼中学校 2年久本 莉子

本人コメント
「人も動物も助け合って生きて欲しい。」という思いが前提で、今は、人が環境破壊をして、動物達が生きることが困難になっているから、どうか、ポスターで私の思いが届いて欲しいと思ったからです。
審査委員講評
たくさんの動物たちと一緒に見上げる夜空。薄暗い背景に、満月が光を放ちます。使用する色を最小限にすることにより、作者が伝えたいメッセージが鮮やかに浮かび上がっています。人間が右手を高く掲げている様子が象徴的で、自然に対する敬意の現れのようであり、生物多様性を護る決意表明のようでもあり、ポイントだと思いました。背景の木々も丁寧に描かれており、ここにも小さな生き物たちがいるのだと想像させます。すべてのいのちにとって、明日が平和でありますようにと祈るような気持ちになります。

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■銅賞

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東京創価小学校 5年若林 美華

本人コメント
夏休みに石垣島に行ってグラスボートからウミガメを見ました。海の汚染が問題になっているけれど、ウミガメたちがずっと元気に暮らせるように海をきれいにしていきたいです。
審査委員講評
ウミガメのまわりには、ペットボトルやビニール袋などのゴミがあり、ウミガメのひれには黒いひものようなものが巻き付いています。ウミガメの目は悲しそうで涙を流し、他の魚たちも困った表情をしているように描かれています。作者は、ウミガメが雄大に泳ぐ姿を見た経験から、このウミガメたちを守りたいという思いを込めて作品に仕上げました。「ずっと元気でいてほしい。海をきれいに」という標語からも、海を大切にしていってほしいという願いが伝わってくる作品です。

神戸市立渦が森小学校 6年田内 天暁

本人コメント
次々と街に緑がなくなっていく中、ヒヨドリのつがいが、どこで子育てしようか困っているところをかきました。家の近くでよくヒヨドリを見るので、ヒヨドリをモデルに絵をかきました。
審査委員講評
新幹線や煙を出している工場、お店やビル、画面右上ではゴミステーションの外までゴミが散乱しています。「どこに巣をつくろうか」という標語の下に2羽のヒヨドリが描かれています。作者は家の近くでよく見るヒヨドリたちをモデルにしています。町が都市化されていく様子を描くことで、私たちの生活が便利になる一方で、自然が失われていく危機感に気付かされる作品になっています。

武蔵野市立第三中学校 2年中島 茶々子

本人コメント
今回このポスターをかくにあたって、地球環境を調べさせてもらいました。学校の調べ学習でも色々と調べたり、発表したりしたこともありましたが、自分で調べてみると、また知らないことも知れて世界が広がったように感じました。
審査委員講評
アイスクリームが地球になっていて、どんどん溶けているのが分かります。「最近、アイス溶けるのが早いなぁ。それ地球温暖化のせいかも?」という言葉からも、見ている私たちに、温暖化について、問いかけるような作品になっています。作品をよく見ると、溶けている地球の周りには、「ヒートアイランド現象」や「海面上昇」など様々な問題の文字がびっしりとかかれています。多くの問題に気付かされる作品に仕上がっています。

兵庫県 宝塚市立高司中学校 3年石丸 はぐみ

本人コメント
最近、人間が捨てたゴミで海が汚染され、生き物たちの生活がおびやかされているニュースをよく耳にするので、海にゴミを捨てる人やゴミを見て見ぬふりをする人を減らし、生き物たちが暮らす美しい海を守っていきたいと思い描きました。
審査委員講評
「切り取って終わりでいいの?」の言葉から、携帯等で海の絵を撮影し、その写真の画面を切り取っている状況を描いているのが分かります。切り取っている部分はウミガメや魚が青い美しい海が描かれ、切り取られる部分は、ゴミが積もった状況が灰色で描かれています。汚れた状況を知っていてもそれを見ないようにしているのではないかというメッセージが伝わってくる作品に仕上がっています。

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■安藤忠雄賞

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松戸市立北部小学校 5年松原 和佳子

本人コメント
何億年前から生きているぜつめつきぐ種のシーラカンス。この大事な命が人間の出したゴミなどで失われないでほしいという想いでこのポスターをかきました。
審査委員講評
シーラカンスや三葉虫、アンモナイトなど、元気よく描かれた古代生物のモチーフから、松原さんの生命に対する深い興味や好奇心を感じるとることができます。こんなにも多様性に富んだ、魅力的な「命」の数々が、この先もずっとあり続けて欲しいという思いがしっかりと伝わってきて、強く印象に残りました。

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■三浦雄一郎賞

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開智小学校 1年中林 瑛

本人コメント
僕は小さい頃からサンマが大好きです。でも温暖化で日本のサンマが減って高くなり食べにくくなってしまいました。また僕は、5 月に妹が生まれて 5 人家族になり、とても楽しいです。サンマも家族で楽しく暮らせる環境を守りたいなと思い、この絵を描きました。
審査委員講評
なかよしサンマ家族の楽しい様子が描かれていて、環境を考えるとは自分が大切にしていることや大好きなことを守ることがとても大事だと伝わります。作者のこれからの未来へ向けてひとつ大きなステップとなる、心温まる作品です。

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■学研賞

作品を多数応募し、学校全体で環境活動に取り組まれている学校にお贈りしています。

東京都 千代田区立九段中等教育学校

東京都 広尾学園中学校・高等学校

宮崎県 宮崎日本大学高等学校

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■入賞:小学生の部

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横浜市立荏田西小学校 5年表寺 心聖

本人コメント
水は全ての生き物に必要なものです。地球温暖化や森林破壊が影響して水不足をまねいていることを知りました。また、国連水会議や水不足のニュースを聞き、危機感を持ちました。地球の水源を守るためにも、一人一人が大切にしていたいと思い描きました。
審査委員講評
干からびた大地に横たわる魚とシンプルなメッセージが大きなインパクトと共に「水」の重要さを物語り水不足の危機感が表現されています。全体の構成も大変よく、そして細かいところまで丁寧に描かれたとても良い作品です。

青山学院横浜英和小学校 2年松本 綺咲

本人コメント
みどりがたくさんな原っぱで仲良しの動物たちと寝ころんで、手足をいっぱいのばして、きれいな空気を思いっきり深呼吸してみたいなぁと思って描きました。そんな場所がどんどん増えてずっと動物たちと仲良くできたらいいなぁと思いました。
審査委員講評
たくさんのお花が咲いている草原で、楽しそうに寝ころんでいる女の子と動物たち。綺麗な空気のなかでおもいっきり深呼吸をして、空には大きな虹が描かれとても心が晴れやかになります。緑が増えたらこんな素敵な世界にきっとなると、明るい気持ちにしてくれる作品です。

奈良市立辰市小学校 4年中谷 紗野

本人コメント
私は、学校のじゅ業で近くの公園や川にごみ拾いに行きました。いっぱいごみが捨てられていてびっくりしました。2050 年にはみんながきれいに意しきできるようになっていてほしいです。
審査委員講評
きれいに見えている公園でもふと小川を見るとゴミだらけ。みんなの大切な場所や身近な世界が汚されたらどんな気持ちになるのでしょうか。何より大事なのはゴミを捨てないこと。足元にあるところから意識を変えて行動していきましょう、そんなメッセージが伝わる作品です。

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■入賞:中学生の部

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大妻嵐山中学校 1年井上 優華

本人コメント
自然の美しさをたくさんの人に知ってほしくて描きました。自然は、ありのままだから美しいんだと思います。だから「ありのままの美しさ」を保つために、私たち人間が、一方的に自然に手を加えるのではなく、自然に寄りそう形で美しさをもっと引き出していきたいと考えました。
審査委員講評
ひな鳥たちを育てる親鳥や黒い熊、海に続く青い川、空に浮かぶ雲も描かれています。手前に描かれた手はパズルのピースを持ち、そこには魚が泳いでいます。「ひとつひとつのピースがかけがえのない地球」の言葉からも、自然に関わる私たちが自然に手を加えるのではなく、そっと寄り添い大切にしていってほしいという思いが伝わってくる作品です。

那須塩原市立厚崎中学校 2年吉武 伶実香

本人コメント
地球温暖化のことをテレビや学校などで知って、温暖化のせいで、植物や動物たちが減ってきているということを自分達が理解して、温暖化をなくしていけたらいいなという思いで描きました。
審査委員講評
画面いっぱいに描かれたノートに、環境問題について調べた内容やグラフなどが描かれています。真ん中に大きな木が生えていて、左側には青い蝶とその上にたくさんのひまわりが咲いています。それに対して、木の右側には煙が上がる工場のようなものと枯れたひまわりが描かれています。環境問題には様々な原因があり、それをしっかり考えて行こうというメッセージが伝わってくる作品です。

裾野市立深良中学校 2年長田 杏樹

本人コメント
次の 100 年を考えたときに、どれほど絶滅する動物がいるのだろうか、さしせまっている動物の中から自分の生まれ年の虎をモチーフに選びました。AI も進化してどんどんデジタル化する世界で命のさみしさ、怖さ、を知ってほしいし、経済発展のことばかりで温暖化にいつまで経っても真剣にならない自分を含めた人間への皮肉も込めてつもりです。
審査委員講評
画面に大きく描かれた虎は、大きな口を開け吠えているように見えます。「ツギノセイキニハ デジタルノセカイデシカ アエナイカモシレマセン」の言葉から、このままでは将来絶滅するかもしれない動物たちを守りたいというメッセージであることに気付かされます。虎の体には、段々と正方形の枠が描かれ、それが散らばっていく。本物の虎がデジタル化され、なくなっていくかのようです。AIや経済の発展だけでなく、環境をもっと大切にしなければならないことに気付かせてくれる作品です。

西宮市立甲武中学校 3年河邊 悠

本人コメント
森林破壊や、ガスを燃やしたり、自動車などを動かすために燃料を燃やすことは、私たちが当たり前のようにしていることです。なので、調味料を加え、加熱していく料理をしているところに例えました。コンロの火を消すことはできなくても、「調味料」の部分を変えてほしいという願いを込めて描きました。
審査委員講評
フライパンの上で、火で温められているのは、今はまだ青い地球です。後ろにある調味料や油の入れ物には、二酸化炭素やガスの文字が描かれています。「火を消すのはあなたです」という言葉からも、地球の環境問題を守るには、我々一人一人が行動していかなければはならないというメッセージが伝わってきます。日頃の生活である料理に例えたことで、身近な問題であることに気付かされる作品になっています。

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■入賞:高校生の部

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神奈川県立神奈川工業高等学校 1年伊藤 美央

本人コメント
ゴミを素通りしてしまうことは誰にでもあることだと思います。そんな過去がきっと誰にでもあると思い、このポスターを見た人が、それはいけないことだと、はっとと気づいてもらえるようなポスターにしました。落ちているゴミを無視してしまうのは小さいことのようで、そのつみ重ねでどんどんまちは汚れていってしまうと思い、このポスターを描きました。
審査委員講評
まだ中身が残った飲み物の缶を捨てたのは、この足の人なのでしょうか。それとも、他の人でしょうか。捨てた人はもちろん悪いけれど、見て見ぬ振りもいけないこと。一人の気づきと行動ひとつで、この缶が街を汚すゴミになるか、きちんとリサイクルされて資源になるのかが決まります。そしてその先に、どんな未来図があるのか見えてきます。そう考えると、標語の「素通りか?」は、とても鋭い一言です。構図も効果的で、高校 1年生の作品と知って驚きました。

静岡県立御殿場高等学校 3年財津 葵衣

本人コメント
このポスターで表したのは、自然・動物・人間の共存を日常生活で感じやすいような町の風景で描きました。肉食動物は、口に金属をつけ、他の生き物に危害を加えるのを阻止したりなど世界観の設定をしました。タイトルである「共 ZONE」は共存と場所(ZONE)をかけ、動物・自然が共に生きる事ができるというのを願い考えました。
審査委員講評
不思議な世界観が広がっています。どこかにある町の何気ないひとコマのようでありながら、口輪をはめた野生動物が路上を歩いていたり、リードを付けた猫を散歩させる人がいたり、近未来なのかなと想像をかきたてられます。そこでは人と動物と植物それぞれが譲り合いながら共存できているようで、独創的な物語を感じさせる作品です。アングルもユニークだと思いました。

兵庫県立龍野北高等学校 3年倉橋 初芽

本人コメント
自分達が気がついていない間にどんどんと進む地球温暖化に早く気がついてほしい。という想いで制作した。
審査委員講評
沸騰化とまで言われた今年の夏を経験した今、世界各地に深刻な影響を及ぼしている気候変動への取り組みは喫緊の課題です。その被害を被るのは動植物も同様で、温暖化により氷河が溶け、ホッキョクグマたちの居場所が狭まりつつあります。溶けてゆく青い地球の上でなす術なく、暑さにぼうっとした表情のホッキョクグマ。日傘はボロボロで役に立ちません。この状態を放置してはならないと思わせます。色使いのコントラストも手伝って、わたしたちが直面する問題の緊急性を投げかけます。

宮崎日本大学高等学校 1年梶山 一花

本人コメント
私は今の海洋ゴミの現状を表現して描きました。実際に海岸にうちあげられていた海洋ゴミをもとに魚の形を作りました。普段から一人一人がゴミを減らす努力をしてほしいです。
審査委員講評
魚かと思ってよく見ると、そこにはわたしたちが日常的に使い捨てしているカラフルなプラスチックが。「海洋ごみ」と聞いて身近な問題として捉えることが出来にくい人が、この作品を見てどう感じるか聞いてみたくなります。アイデアが独創的で、伝えたいメッセージを的確に、効果的に発信しています。ひとつひとつのプラスチック製品や缶などを丁寧に描いており、上手に仕上げていると思いました。「魚?」と言う問いかけも良いです。

宮崎日本大学高等学校 2年舩越 咲耶

本人コメント
ゴミをポイ捨てしてしまう人間のせいで、海の生き物たちが辛い目にあっています。網にからまってしまったり、プラスチックを食べてしまったりしています。そのゴミ問題を解決し、人間含め、生き物皆が笑って暮らせる様にしようという思いで描きました。
審査委員講評
海洋生物たちが受けている被害をストレートに訴えています。主役として中心に位置するクジラに躍動感があり、背景に馴染んで主張していない他の生き物たちも細やかに、そして生き生きと描かれています。自然環境の中で暮らす生き物たちが平穏に安全に生きることができていれば、それは人間にとっても暮らしやすいということでしょう。こちらに向かって泳ぐクジラから、そう諭されているようです。海を愛する気持ちが伝わります。

鹿児島県立出水特別支援学校 3年佛﨑 青葉

本人コメント
海の色をうすくしたり、こゆくしてみたりなど海の動きを表現しました。もじは、クレヨンでカラフルにしあげてみました。できるだけ、派手な色にしました。生き物もよごれている風にやってみました。
審査委員講評
「ゴミは、リサイクルできる。でも生き物はリサイクルできない」。だからゴミを減らしてリサイクルを増やし、生き物を大切にしようという思いを表現しています。人間が捨てたゴミが、海の生き物たちをどれほど苦しめていることか。言葉を持たない彼らは、その痛みやつらさを訴えることができません。そんな小さな命の持ち主たちに寄り添おうとする作者の優しさが伝わってきます。

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■海外賞

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【金賞】
天津日本人学校(中国) 
小学2年中 英多郎

本人コメント
ちきゅうおんだんかにより、あっちこっちしんりんかさいが、はっせいしていて、かいめんじょうしょうにより、りくちがすくなくなっていく。人げんが、あんぜんにすめるうばしょがへっていきます。
審査委員講評
人間の活動による温暖化で異常気象が続き、森林火災や大気汚染という地球をいじめるモンスターたちが発生している様子が描かれた作品。苦しんでいる地球は私たちが住むかけがえのない星で、これからすぐにでも地球を助ける行動をとらなければいけないと、切迫した状況が伝わってきます。

【銀賞】
カンタベリー補習授業校(ニュージーランド) 
小学5年相山 実柚

本人コメント
漁業用網に引っかかったウミガメや、釣り針に引っかかっているイルカや、年々消えていくサンゴ礁のニュースを見て悲しくなりました。人間の努力できれいな海に戻れるはずという想いで描きました。
審査委員講評
「私達は美しくありたい」という切ない想いが画面いっぱいに描かれた様々な海の生き物たちの涙から伝わります。色とりどりの海の世界を覗くと人間による沢山のゴミが散らばめてあり、動物たちの助けてという悲鳴が聴こえてきます。この世界をもとに戻す努力を人間たちにして欲しいという切実な願がこめられた作品です。

【銅賞】
グアム日本人学校(アメリカ) 
小学1年フェルプス ゼイ 和弥

本人コメント
ぼくは、ママにかみはきからできているの? とききました。そこでぼくはかみづくりにちょうせんしました。まずうみにきをあつめにいきました。けどうみにはごみばかりでいやなきもちになりました。せかいでごみがなくなってほしいとおもいました。だいすきなやどかりのおうちがきたなくなってほしくないです。
きからかみづくりはできませんでした。けれどぎゅうにゅうパックでかみをつくりました。このかみのなまえはさいせいしです。ぼくたちのみらいにはごみじゃなくてさいせいしがもっとふえてほしいです。
審査委員講評
この作品は私たち大人たちへ未来を考えて欲しいという心からの願いを込めた子どもたちからのメッセージです。そしてこれを描いた作者(子ども)もこれからの未来をよりよきものにするために沢山を学び、ゴミをなくして再生する、新しい世界を作っていこうという決意が感じられました。

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